大 阪 市 総 合 博 物 館
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ポスターデザイン/傷(scar)
独特の形式に盛り込んだ説得力あるメッセージ


 光州の深い悲しみの象徴である若い魂たちの死と、それによる心の傷を表現したこのポスターは、動画に代表されるニューメディアを利用して非常に説得力あるメッセージを伝逹している。常に新しくて独特の表現で驚きを抱かせてくれるキム・ドソのグラフィックデザイン世界は強烈なイメージの向こうにメッセージの説得力が何より引き立つ。
(審査委員 キム・サンラ/檀国大学教授)

ポスターデザイン/風の夢(Dream of wind)
グラフィックの魔法にかかった巫俗の情緒


 キム・サンラは、大部分の人々が無関心に過ごしていく巫俗世界の多くのエレメントを素材に、多様なグラフィック造形を創造してきた作家である。出漁を控えた漁夫たちの切々たる祈願を簡潔で濃縮的に表現した「風の夢」は、単純な叙述的演出の代わりに目に見えない漁船の形象化を選択することで長い余韻を残す一編の詩に昇華された作品だ。
(審査委員 チョ・ヨンジェ/東西大学大学院長)



ポスターデザイン/ナイキ(Nike)
メッセージを読ませる堂々とした節制


 何より堂々とした節制が引き立つこの作品は、十分な余白の中に人々の目線を引き入れて淡泊な空間の力でメッセージを読ませる。少なく語りながらむしろ多くのことを強く伝逹する広告特有の效果!作家はこの作品を通じて自分が志向する広告デザインの世界を見せている。節制された中にも作品全体に漲る緊張感と立体感が引き立つ。
(審査委員 ビョン・ツソ/国民大教授)

→↓編集デザイン/601スペースプロジェクト(601 Space Project)
隙のないグラフィックに表現されたデザイナーの精神と力

 
 「601スペースプロジェクト」は建築とデザインの最良の出会いを見せてくれる成果物だ。デザイナーの精神と力、アイディアと汗がすきまもなくグラフィックに記録されたという点でその意義は特別である。「間」というメインコンセプトを地と空、三角と四角、空と満、感性と理性、人と人の関係を通して展開して行った企画力と、その中に見られるプロ精神が引き立つ。その波及效果が期待される韓国グラフィックデザインの成果である。
(審査委員 パク・アンジョン/東ソウル大教授)



ポスターデザイン/不満底意
強い作家意識が引き出した伝統的グラフィックの力


 明暗の強い対比と圧縮された形態、簡潔な線と節制された色彩、大胆な構成が引き立つベ・ソンイの作品は、コンピュータ合成と難解さや自由奔忙な個性表現という名前の下で試行されるたくさんの無責任な作品があふれる今日、確実にそれらと異なる道を行っている。伝統的グラフィックデザインに対するデザイナーの強い信念が目立つ。
(審査委員 キム・ヒョン/デザインパーク代表)


←↓編集デザイン/権明光作品集
一貫したイメージ・マネジメントに活かされた編集リアリティー


 この作品は編集という人文科学及び感性工学的原理を通じて、視覚文化運動の中心としての歴史性と人文学的香りで満たされた文学的自尊心を同時に成就した書籍である。作家が身につけている広範囲な活動と業績に対するイメージ・マネジメントを、水準の高い企画と編集を通じて一つのコンテンツでまとめ上げて、これを再び卓越なアート・ディレクションを通じて完成度の高い書籍に実現した努力が引き立つ。
(審査委員リュ・ミョンシ/海人企画代表)



→↓編集デザイン/清湖洞に行く道
それでも続く「生」、果てしなくつながる対話


 がっちりしている企画力とテキストとイメージの調和が引き立つ秀作だ。古くさい写真帖や田舍の家の古い壁紙、セメント砲台など清湖洞の日常で一番身近な素材を使って書籍の本紙や表紙などに反映した演出力と、言葉で表現することができなかった彼ら胸のしこりを解くために詩人イ・サンクの文を挿入した思いやり、そして新しい目的地に向けて歩くことを急き立てる形式に仕上げられたエンディングなど、この本の視覚的特徴は一言でいえば物性的だ。私たちのブック・デザインが追い求めなければならない新しい出発を試したと見たい。
(審査委員チョン・ビョンキュ/チョン・ビョンキュデザイン代表)



ポスターデザイン/文字図
時空超越した象徴の力

 
古くから絵文字の力は象徴にあった。象徴はすなわち祈願だ。儒教の概念である孝、忠、礼などを使い仁の具現化を念願し、竜、虎、などの字を利用した守護的象徴絵文字で豊饒、福、長寿など現世の平安を念願した。イ・セヤンの「絵文字」には施工を超越した象徴の力が捜し出した新しい生命の驚異がよく表現されている。
(審査委員 コン・ミンガン/弘益大教授)


→↓スーパー・グラフィック/ナイキ・ワールドカップ・キャンペーン
コミュニケーションの花でジャンプしたグラフィック・デザイン


 チャン・フンジョンはこのラッピング作業を通じてコミュニケーションのツールとしてグラフィック・デザインが持つ驚くべき力量と可能性を、私たち皆に認識させるのに成功した。ワールドカップ期間中この作品に対する大衆の支持もすごかった。新しい異議申し立てを通じて、新しい社会的共感を形成して行く視覚デザインの本領を発揮した一番幸せな作家の幸せな作品である。
(審査委員 ク・ドンチョ/ブルーダッ代表)



→↓タイポグラフィー・イベント/第1回タイポザンチ
タイポで一つになる世界の文化宴


 世界で一番独創的な文字文化をもつ韓国が主体になって、世界のタイポグラフィーの巨匠たちを一堂に集めた「ソウル・タイポ・ザンチ」はデザイン的にはもちろんも文化的にも大きなできごとであった。キム・ジンピョン、マセン、ソール・バス、杉浦康平など世界的なグラフィックデザイナーたちの大挙参加で意義深かったこのイベントをきっかけに、これからも多くの独創的な世界デザイン展が韓国を中心に継続して開催されるのを期待している。
(審査委員 シン・ジヘェ/フィックスダイン代表)



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